「授業料さえ落としてくれればいい」という塾があるらしい

こんにちは、個別指導エクセルシア茅ヶ崎校の宮崎です。

Twitterを見てたら、こんなツイートが流れてきました。

 

https://twitter.com/Lit_E_Hack/status/997499161443381248

 

おおお…これは面白そう。タイトル何だろうとググってみたら二月の勝者という漫画らしいです。

中学受験は2月1週目が主な入試日程ですからね、タイトルの二月というのはそこから取っているのでしょう。

この漫画自体の舞台は中学受験の集団塾ですが、塾業界全体のダークな面も描かれているようなので保護者の方には是非読んでいただきたい漫画です。

 

そんな二月の勝者ですが、一番印象に残ったフレーズがコチラ。

 

「(下位クラスは)授業料さえ落としてくれればいい」

保護者の方からすると信じられない言葉かもしれませんが、実は私自身もリアルに聞いたことがある台詞です。

 

街を歩いているとよく「湘南高校◯◯名合格!」「茅ヶ崎北陵合格者、過去最高!」「東大合格◯◯名!」みたいな宣伝が壁や看板に貼ってあったりしますよね。(全ての塾の合格者を足すと、何故か入学者よりも多くなるという不思議も…笑)

偏差値が高い学校の合格者を輩出することで、「良い塾」というイメージを付けたいというのはわかります。「あぁ、ウチの子もひょっとしたら…」という淡い期待を抱きますよね。もしかしたらこの記事を読まれている保護者の方の中にも、そう思われている方がいらっしゃるかもしれませんね。

そのため、上位クラスにはエース級の講師を当てたり、入塾してもらいやすいように特待制度(成績上位者による割引)を設けたりしてます。

 

反面、下位クラスの生徒はとりあえず楽しそうな雰囲気で、友達と一緒に、耳触りの良い授業で、退塾させないようにすればOK…というようなところも確実に存在します。まぁ存在するからこそ、このような漫画が生まれてくるわけなんですけどね。

残念ながらこれは中学・高校・大学受験問わず、集団塾・個別指導塾問わず、塾業界全体で現実に起こってしまっていることです。

あまり言いたくはないのですが、規模が大きい塾ほどこういった傾向が強く表れてくるようになります。もちろん、大手塾でもしっかりしている教室はありますし、小さな教室でも金儲け主義の塾もあるでしょうが。

 

じゃあ大手の塾が悪いのかというと、必ずしもそうではありません。

規模が大きくなると、どうしてもリーダー役の人やバックグラウンド業務の人を用意しなければなりません。その人らがいないと組織としてまとまりませんし、効率が悪いですから。

塾の場合、その人らは直接売上を稼ぐことは出来ません。教室を持っているわけではありませんので。ならばどうするか。そう、一つの教室当たりの売上を伸ばすしかないんです。

これは悪いことなのか?作中でも描写されている通り、塾は営利企業ですので利益を出すことは決して悪いことではありません。

 

が、「授業料さえ落としてくれればいい」という考え方が果たして適切なのかどうかは疑問符が付くところです。

それが健全なのか?学習塾って、そういうもんなのか?違う。成績を伸ばす行為に対しての価値が授業料なんじゃないのか。授業料さえ、ってその考え方は詐欺の考え方と同じじゃないのか。やる気が無いなら辞めろ、って言うべきなんじゃないのか。

集団塾のみならず個別指導塾も同じです。クラスという概念はありませんが、考え方の根本が「授業料さえ落としてくれればいい」という◯◯(自主規制)な個別指導塾が存在しているのです。

1年間で教室長が3回も変わり、引継ぎが満足にされていないような塾とか、「担任制です!」と言いながら大学生の講師に生徒丸投げしておいて保護者への営業だけ頑張るといった塾は…滅べばいいんじゃないかな(´ε` )

 

話を戻しますが、どういった塾であっても存続のために売上は必要です。売上(月謝)を下げろ、タダにしろというのは、その社員に対してブラック化しろという言葉と同義です。

最も大切なのは保護者の方の意識だと思います。

塾の先生に任せっぱなしではなく、塾と二人三脚で子供の成績を伸ばしていこうという気持ち。

「塾に成績を伸ばしてもらう」のではなく「塾を利用して成績を伸ばす」という考えだと良いのかもしれませんね。

まだ塾に入っていない方は塾選びの際に、授業料に見合う価値があるのか、その根拠は何か、その教室の塾長は信頼出来るのか…といったことも意識されると良いでしょう。

お金を払ってるのはこっちなのに…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、(私生活やプライベートも含めて)完全に任せっきりにして塾だけで100%絶対に成績を伸ばすのは、たぶん無理です。(;・∀・)

 

「本来であればウチの塾じゃない方がいいんだけどな…と思いながらも『辞めた方がいい』と言えない」塾講師。

「とりあえず通わせている」保護者。

この両者がマッチングしたときに「授業料さえ落としてくれればいい」という言葉が出てくるのではないでしょうか。

 

それではまた次回!今回はなかなかダークな内容でしたね(笑)

お読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

miyazakiのアバター miyazaki 塾長/教育アドバイザー

神奈川県茅ヶ崎市でエクセルシアという個別指導塾を運営しています。「茅ヶ崎で勉強No.1」を目指し、日々奮闘中。生徒・講師の先生たちと話すことはもちろん、読書やゲームも好きです。

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